変声風~逆抵牾参る・零

~PROLOGUE~

一筆啓上 浮世の業に 過ちを繰るに 憚ること勿れ
傲倨(ごうきょ)目下の者に対して傲慢な態度を取ることによって明示された横柄な自尊心。  懶(ものぐさ)何かすることを面倒がること。また,そのような性質や人。また,そのさま。ぶしょう。 好色 悋気(りんき)嫉妬。
奢侈(しゃし)度を過ぎてぜいたくなこと。身分不相応に金を費やすこと。 に 檮昧(とうまい)おろかなこと。 鄙陋(ひろう) 品性・言動などがいやしいこと。見識などが浅はかであること。に 衒奇(げんき)奇をてらうこと。不自然でわざとらしいふるまいをすること。
どや泣かされて わや騙されて
醇乎(じゅんこ)心情・行動などが,まじりけがなく純粋なさま。な未通女(おぼこ)も 兇状持ち 前科のある者。また、凶悪な罪を犯して追われている者。も 寄って集かって神頼み
困った神様仏様 千一本目に猫の手借りて
それでも足らぬと奥の手借りた
逆牴牾 さまさま

~PHASE I~

Lai LaLaLaLai LaLaLa LaiLaLa LaiLa ...

夥(おびただ)し躯骸(むくろ)に 咲く花の香
風に乗って 聴こえる声は
残魂か 生き霊(しだま)か
身を挺し 受け止めたからは 誓え

刻まれた斑が 疼く干支に
導かれて 彷徨う征野
軋む弦(つる) 敵の気配
放たれた矢よりも速く 凛と仕留めろ
祠(ほこら)の彫は

 邪甲の軍 馘(はね)る 夷狄(いてき)異民族を軽蔑あたは敵意をもって呼ぶ際に使う語。の流儀 隻眼(せきがん)片側の目そのものや視力を失った状態。の騎士よ
 雷神の弓 彩(あやな)す 乳房を癈(し)いたからだの部位・器官の感覚や機能を失った状態。 稀覯(きこう)めったに見られないこと。非常に珍しいこと。弩女(どんな)弩(ど、おおゆみ)は射撃用の武器、弓、クロスボウを意味するが、この場合「弩そのものの女」の意。
 白燐の火砲白リン弾を発射する大砲・銃。衣服に付着するだけで浸透、皮膚に到達すると肉を溶かし燃焼しきるまで発火し続ける。吸い込んでも同様な殺傷能力を持つ。第二次大戦、ベトナム戦争などにも使われ、現在も使用されている非人道的兵器。 阿摩羅(あまら)10のマイナス23乗(1000垓分の1)であることを示す漢字文化圏における数の単位である。阿頼耶の1/10、涅槃寂静の10倍に当たる。を融かすは 錬金の術士よ
 黙示録の竜 召し出し遣うは 綺譚の禿(かむろ)頭に髪がないことを言い、肩までで切りそろえた児童期の髪型、あるいはその髪型をした子供を指す。狭義では、江戸時代の遊郭に住む童女をさす。を索(さが)せ

袂(たもと)を分かちぬ行動を共にした人と別れる。関係を断つ。離別する。 番いの翅(はね)よ
断たれた琴最も心の通い合う友情。【断琴の交わり】:中国、春秋時代、琴の名手伯牙が自分の奏でる心を完全に理解した友人鍾子期の死後、琴の弦を断ったという「列子」湯問の故事から。の 調べにも似た
あの声が 聴こえるなら
それが証 いまいちど起て 焦眉眉を焦がすほど火が身近に迫っている意から、危険が迫っていること。差し迫った状況にあること。に集え 選ばれし者よ 猛れ

~PHASE II~

Lai LaiLa LaiLaiLaiLa LaiLa LaiLaiLai ...

~PHASE III~

「ゼテギネアの八八艦隊より入電。
 敵論理空軍、合理陸軍、窮理海軍、第三国と交戦中。国籍不明。以上。
 複眼レーダーにノイズ反応。
 スキストケルカ・グレガリアサバクトビバッタ(砂漠飛蝗、学名:Schistocerca gregaria )は、バッタ科のバッタ。サバクワタリバッタ、サバクバッタ、エジプトツチイナゴとも。時々大発生し、過去何世紀もの間、アフリカ、中東、アジアの農業に被害(蝗害)を与え続けている。現在でも、世界の人口の10分の1の人々が、この昆虫の被害を受けている。サバクトビバッタは体が大きく、移動距離も速度も大きいため、大きな蝗災(こうさい)を起こしやすい。の大群、西南西より接近中。
 敵先鋒補足。北東より毎時3キロで進軍中。敵総数不明。
 味方鉄砲隊、弓隊、騎獣隊、飛竜隊、舞闘隊、声圧隊、陣形配置完了。」

「よし。
 聴こえるか我が同胞たちよ。
 拈華(ねんげ)言葉を使わず、心から心へ伝えること。【拈華微笑】:釈尊が霊鷲山で会衆を前に蓮華を無言でひねったのに,その弟子迦葉 (かしょう) だけが微笑して応じたことをいう。釈尊の心中にある仏教の真理が無言のうちに伝授されたことをいうもので,特に禅宗でしばしば用いる。 での指示を許せ。
 総攻撃を前に 諸君らにいまいちど申し上げる。
 我々は一人の英雄を失った。
 これは敗北を意味するのか? 否。始まりである。
 我が軍はこれより最後の奇襲をしかける。
 失敗は許されない。
 間もなく、スキストケルカ属の飛蝗どもと共に、あの風がやってくる。
 そして風と共にある曩人(のうじん)先人。たちの声が諸君らに届くまでは、
 なんとしても堪えるのだ。勝機はこちらにある。
 空を見よ。
 あの月が黒く輝く時
 この折れた月光の剣はかつての美しい姿を取り戻し
 必ずやその力をもって敵を殲滅せしめるであろう。

 諸君らと共に闘い散ることは、我が誇りである。
 たとえ夭折れ躯骸と成り果てても
 そこに咲く銀竜草(ギンリョウソウ)別名ユウレイタケ。腐生植物:種子植物の内、光合成ではなく、菌類と共生して栄養素を得て生活する植物。腐葉土から有機物を得る能力はない。の花の香のごとく
 風に乗り、再び出会い、共に闘い
 一献交わそうではないか。
 では、参る。」

~PHASE IV~

「よいか者共!
 婉然(えんぜん)動き・所作が優れて美しいこと。と猛れ!
 そして、絶佳(ぜっか)情景・風景が優れて美しいこと。と散れ!」

神の過ちを糾せよ 同胞(はらから)よ 怯むことなく進め
託された剣(つるぎ)折れたままでも 本懐を遂げろ

未だ報われぬ 貴い生贄よ 美しき灰となって
せめて風に乗り あの虹が誘(いざな)う彼方 超えて 超えて 超えて

 妖しく囁き 心惑わすは 吟遊の韻士よ
 異域之鬼(いいきのき)祖国に帰れず異国の地で死ぬこと。またはその人の魂。涜(けが)す 禁呪を詠(とな)うは 囹圉(れいぎょ)牢獄・獄舎。囹、圉ともに牢の意。の魔導よ
 英霊の忌(き) 鎮め 斎戒(さいかい)神仏に祈ったり、神事、仏事の際に身を清めること。導(つた)うは 聖后の行者よ
 逆しまに牴牾(もど)き真似る。物に似せる。咎(とが)める。罰があたる。 華麗に踊り舞う 貴奴は誰か

 「貴様・・・何者だ。」
 「逆牴牾、参る。」

~PHASE V~

Lai LaLaLaLai LaLaLa LaiLaLa LaiLa ...
 
袂を分かちぬ 番いの翅が
時空を超えて 再び啼けば
その声は 風に乗った
見届けし 受け止める者よ 歌え

乱世に抗い 戦く者よ
冥府に堕ち 夭折れる者よ
あの声が 聴こえるなら
それが証 光を放て 闇をも纏え
後に続け 風に遺せ 貴様の声を
 
Lai LaLaLaLai LaLaLa LaiLaLa LaiLa ..